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最大公約数

個別指導の場合はよく分かりませんが、
クラス指導をしていて非常に悩むのが
指導する内容や難易度です。

私たちの塾ではほぼ毎年同じテキストを使って指導をしていますが、
だからといって毎年全く同じ授業は出来ないのです。
それは勿論、授業を受ける生徒が毎年変わるからですが、
これが悩みの種。
年によってクラス全体での授業内容の理解度も違いますし、
生徒個々の授業の理解度も違う。
そうするとどこに焦点を合わせて指導するかが難しいのです。

私の場合は、たいていの場合
「クラスで一番理解力のある子と
真ん中くらいの生徒の中間位の難易度にする」
ことを意識して教えます。
「一番理解力のある子と一番理解力のない子の間の難易度」にはしません。
それは、「理解力がない」(つまり「分かってない」)子が必ずしも全力を尽くして取り組んで、それでも分かってないとは考えていないからです。
「分かってない」子が今以上に本気取り組む為には、「怠けていてはついていけない」という位のプレッシャーがあった方が良いと思いますし、その方がその子の為になると思うのです。

こんな風に
自分の中ではそれなりに基準を考えているのですが
「その通りにやれば絶対上手く行く」
というものでは無いのが正直なところです。
むしろ「上手く行った」と感じることの方が少ない
と言うのが実情かもしれません。
毎年「上手く行かないなあ」とあれこれ試行錯誤し、
その時に最善だと思うことをやっている、そんな毎日です。
だから、毎年同じ単元を教えても同じ授業にはならないわけです。

一人ひとりの生徒のことを個別に考えていくと
クラス授業という指導法に限界を感じるときもあります。
でも、だからといって
「一人の子供に24時間つきっきりで何もかも指導する」
というわけにも行きません。
一人で複数の子供を教えるわけですから
全ての子供にぴったりマッチするというわけにも行かないのです。

生徒の力を目一杯伸ばしてやりたいとは思いますが、
私自身にできることには限度がある。
できることとやりたいこと、この最大公約数を追及していくのが
私たちの仕事の一つかもしれません。

算数の最大公約数のようにはっきりした答えが見えにくいのが
もどかしい限りですが…。
by soul_doctor2005 | 2006-06-02 16:15 | 塾の仕事を通じて
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