杉原千畝氏について

昨年10月に放送されたTVドラマ
「六千人の命のビザ〜杉原千畝物語〜」を
今日見ました。

杉原千畝氏は私が一番尊敬している人物で
高校生の時、彼の伝記「六千人の命のビザ(杉原氏の奥様が書かれた本です。)」を読んで、「外交官になりたい」と思ったものです。

以前も記事に少しだけ書いたことがありますが、
当然ながら外交官にはなれず、今は塾講師をしているわけですが、
今になって改めてドラマを見ると、高校生の時の感動が蘇ってくるようでした。

アメリカに「SAVATAGE」というロックバンドがいます。
彼らは杉原氏をとても尊敬していて、
彼について「CHANCE」という曲を作っています。
インタビューでも「彼は僕たちのヒーローだ」と語っています。

でも彼は普通の人間で
短距離走の世界記録を作ったり
野球で物凄いHRを打ったり
そんなヒーローではないのです。

私が彼を尊敬するのは
彼がごく普通の人間で
多分気持ちさえあれば誰でも出来る、
でも非常に覚悟と決意の必要なことを決断し、実行したことなのです。
どんな人でもその立場にあれば実行可能で、
でも恐らくみんな決して実行しない(できない)ことを彼は実行したのです。

外交官という立場にある人間が国益に反して
独断で政治的判断をしたことに対する批判は当然あるでしょうが、
だからこそ、彼は数日間悩み続けたのです。
人間の命の重さと国益を守ることの間で悩んで
「国益に反しても、ユダヤ人達の命を救う」という判断をした彼は正しいと思うし、
そんな人物が日本にいたことを日本人として誇りに思います。

先程の「SAVATAGE」もそうですし、
彼に救われてイスラエルで暮らしている多くの人々
さらに彼がビザを書き続けたリトアニアでは、
彼が領事として滞在していた建物を保存しようと活動している方々がいます。
海外では彼は「六千人のユダヤ人を救った日本人」として広く認知されているのに
日本では全く知られていません。
彼は教科書に載っても良いくらいの人物だと思うのですが…。

私も戦後の教育を受けてきた世代ですから
学校教育の中で戦前を否定するような歴史教育を受けてきたように思います。
日本が無謀な戦争をし、侵略行為で多くの国の人々を不幸にしてきたことは事実として認めないといけません。
ですが、それと同時に日本が世界に誇るべき人物が多くいるということを子供たちにもっと伝えるべきだと思うのです。

杉原氏だけでなく、明治時代の「エルトゥールル号」の事件や
現在も活躍されている緒方貞子さんなど、世界に日本が誇るべき人や出来事も多くあることを私はそのほとんど大人になってから知ったのです。

杉原氏の伝記を読んで「外交官になりたい」と思ったのですが、
その前から、私はずっと「海外に行きたい、海外で暮らしたい。」と思っていました。
それは「日本なんてつまらない国だ」と当時思っていたからです。
今この仕事に就いて、今私が教えている子供たちを見ていると
少なからずそういう思いを抱いている子供がいるのではないかと感じます。
それは子供たちのせいではなく、それを教えてこなかった大人の責任だと思います。

私自身が、社会科という科目を扱いながら、成績を上げることばかり気にして
子供たちに「伝えるべきこと」を伝えていない。
そのことに対して、恥ずかしさと自己嫌悪を感じます。

日本という国が出来てから、長い歴史の中でずっと
数え切れないほど多くの人が「日本」を様々な苦心を繰り返して作ってきた。
その上で今の私たちがある。
そのことをこのドラマを見て感じました。
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by soul_doctor2005 | 2006-07-09 02:15 | その他
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