ネパールのビール

昨日に続いて今日も国語の教材の話です。

今日小6の問題演習でとりあげた
「ネパールのビール」という随筆についての話題です。

こんなお話です。

昭和60年の夏、カメラマンである筆者がネパールの村に取材に行った時のこと。
ろくに道の無いヒマラヤの麓の村での取材であったので、
最低限の装備しかもちこめません。
嗜好品のビールなどもってのほかでした。

一日の取材が終わったあとで汗だくになった筆者たちは
きれいな小川を見つけ、そこで
「この川でビールを冷やして飲んだら、きっとうまいだろうな。」と
思わず口にします。
 すると、それを聞いていた地元の少年チェトリ君が「自分が買ってきてあげる。」と名乗り出ます。ビールを売っている町までは片道90分。地元の少年でも楽な道ではありません。筆者は「大変だから」と一度は断りますが、少年の勢いにおされて買い物を頼み、少年は日が落ちたころビールを買って戻ってきました。
 
 その翌日、撮影をしている筆者たちの所にチェトリ君がやって来て、
「今日はビールはいらないのか?」と聞いてきます。
「明日は学校が休みだから、昨日よりたくさんビールを買ってきてあげる」
というのです。
この日も「大変だからいいよ」と断る筆者達ですが、またしても少年の熱心さに負けて、昨日より多くのお金とリュックサックを預けて送り出したのです。

ところが今度は、深夜になっても彼は帰ってきません。
彼の身が心配になった筆者は村の人に相談します。
ところが村人は「そんな大金を渡したのなら、きっと逃げたのに違いない。」
と言います。

彼は故郷から、学校に行く為にこの村に下宿していて、
大金を手に入れたからきっと故郷に戻って、
家族と首都のカトマンズにでも行こうとしているのだ。
というのです。

次の日も、その次の日も彼は戻ってこず、
筆者は彼が通っている学校の先生に相談します。
しかし、先生の意見も村の人と同じでした。
「彼は逃げたのだ。だから事故などではない。心配ない。」というのです。

筆者は、ひどい後悔にさいなまれます。
つい、日本と同じ感覚で、ネパールの少年にとんでもない大金を渡してしまった。
彼のような良い少年の一生を狂わせてしまった。
彼はお金をもって逃げたのではない。事故なのだ。
そう思いたかったが、そうなると彼は死んでいるかも知れない。
それはあってはいけない。

そんな三日目の深夜、彼の宿舎のドアを誰かが激しくノックします。
「最悪のしらせか?」と思ってドアを開けると
チェトリ君がヨレヨレの姿で立っています。
彼がビールを買いに行った町にはビールが三本しかなく、
峠を4つも越えた別の町に買いに行っていたというのです。
「結局10本買ったけど、途中で転んで3本割ってしまった。」
と割れた破片と釣り銭を彼に見せます。
彼は筆者との約束をちゃんと守ったのです。
彼の姿をみて、筆者は彼を抱きしめて泣いたそうです。
そして最後に「私はこれまでにこんなに色々反省させられたことはない」
と語っています。

こんなお話です。

つい説明に力が入って長い文章になってしまいました。
私の感想を書こうと思ったのですが、ここまでで疲れてしまいました。

感想はまた明日ということで…。

みなさんはどう思われたでしょうか?
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by soul_doctor2005 | 2006-07-15 23:46 | 塾の仕事を通じて
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