努力の方向

以前の記事で
出来ない子は「頑張っても出来ない子」と
「頑張っていないから出来ない子」に分けることが出来る。
大半の子は後者だ。
という趣旨のことを書いたことがあります。

「大半の子」と書いたのですが
残念ながら「頑張っているのに上手く行かない」という子もいます。
今回はそんな話です。

その子は小6の女の子なのですが、
とても一生懸命勉強しています。
私から見る限り、彼女は「勉強が出来ない」とは思えないのです。
ただテストなどでは得点が取れないのです。

でも、彼女は恐らくクラスの中でも1番か2番くらいに一生懸命勉強しています。
彼女は小学生ですから、
私は彼女によく「あんまり遅くまで勉強しちゃいけないよ。」と言うのですが、
それでも、深夜まで勉強をするようなことが度々あるようです。
もともと体も小さくて、体力があるという感じではないので
遅くまでの勉強で体調を崩すこともあります。
彼女の体調も心配ですし、
「なぜそこまで勉強して成績が上がらないのか?」と考えます。

これまで色々考えてみて
彼女の成績が上がらない理由はいくつか考えられます。
その中でも私が大きな理由だと考えるものが2つあります。

まず、彼女がとても「真面目だ」ということです。
普通、真面目だったら、勉強は出来るようになりそうな感じがします。
勿論冒頭にも書いたように
不真面目で「頑張らない」から出来ない子が多いのですが
彼女の場合は逆だと感じます。

彼女は、宿題を出しても、
全部しっかりやろうとします。
ただ問題数が多い日などには、
なかなか終わらなくて深夜までやっても終わらないこともあるようです。
彼女自身は「問題が出来ないから終わらないのだ」と思っているようです。
たしかにそうなのですが、
それだけではなく
話していると彼女は宿題でも他のことでも
全部片っ端から理解できないといけないと思っているようなところがあるのです。
物凄く出来る子でもなかなかそんな訳にはいきませんから
もっと割り切って考えた方が良いと思うのです。

算数も国語も解法が一つではない問題というのは多いのですが、
一つのやり方で上手く行かないと、割り切って他の解法というわけには行かないようです。国語の文章でも、意味の分からない言葉が一つでもあると文章全体が分からないような感じになってしまいます。

全部わからないといけないと思っているから
問題の中の重要な問題とそうでない問題が分からないし
文章も全体を理解しないといけないと思っているから
文章の要点をつかむことが出来ない。

要領の良い子はその辺りをつかんで
いい意味で「適当に勉強する」わけですが
彼女は性格なのか、そういうことが出来ないのです。
そういう意味では「融通がきかない」とも言えます。


さて、もう一つの問題点は彼女は「自分の実力に自信が無い」
ということです。

先日、国語のテストの時に彼女が問題を解く様子を見ていました。
「文章を読みながら、大事だと思うところに線を引きながら読みなさい。」
私は普段そう教えるのですが、
彼女はしっかりとそれを守っています。

その線を引いたところを見てみると
きちんと重要な部分に線が引けています。
その部分を使えばかなりの問題が解答できるようになっています。
ここまでくれは、もう「答えを書くだけだ」と思うのですが、
彼女は書きません。
私はそれを見ながら「さあ、答えを書け!もう答えを書くだけじゃないか!」
と思うのですが、彼女はまだ迷っていて答えを書きません。
テストだから助言をするわけにも行かず、
本当にもどかしい気持ちになりました。
正解を見つけているのに他の答えを探しているわけですから、
当然見つかるわけも無く、時間ばかりがかかってしまいます。
結局、時間がないので
彼女なら解けるはずの問題に取り組むことさえ出来ずに
テストが終わってしまう。
ここ最近、そういうことが続いています。

昨日の晩、彼女に
「最近、問題を解いていて『これかな』と思う所があっても、自信もって答えを書けない。」といわれました。
私が見ていても確かにそう感じます。

そこで、彼女と相談して、
次の国語のテストでは新しい方法を試してみることにしました。

一つは、まず文章を読む前に設問を見ること。
設問を先に見ることで、文章中でも問題に関係ある部分に注目することができます。
「問題に関係ないと思ったら、その部分は無視してもいい。」
と私は彼女にいいました。
設問に関係ある部分が文章から見つけられない場合もその問題は後回しにする。
これは、問題を解く時間の短縮と、
彼女が解けるはずの問題を確実に解答していくための対策です。

もう一つは、自分が最初に『これだ』と思った答えを絶対に書くこと。
彼女には自分が思っているより読解力があって、
最初に考えた通りに解答を選んだら、
そんなに見当違いの答えになることはありません。
これは解答に迷って無駄な時間を使ったしまうことを防ぐ為です。


彼女は
「普通にやっても出来ないのに、こんなことをしていたら0点になるかもしれない。」とかなり渋りました。
でも、私が「0点を取ってもいいからやろう。」と説得したら
ちょっと気が楽になったのか
「やってみる」といってくれました。
テストは今度の日曜日です。
これで、結果が出て欲しいと思います。
上手く行けばいいのですが、
今までずっと上手く行かなかったものが
一度や二度で簡単に上手く行くとも思えません。

それでも、彼女を励ましてやる気にさせて
何とか彼女が実力を出せるように頑張りたいと思います。

私も冒頭に「勉強が出来る」とか「出来ない」とか書きましたが
実際にはそんなに簡単に二分できるものでもないような気もします。

彼女の場合は「実力がない」というより
「実力が出せない」状態で、
彼女自身がそれを「自分は実力がない」と思っていることが
結果が出ない原因の一つだと思うのです。
もちろん、それだけが全て解決できるはずはありませんが
まず彼女が自信を持って勉強に取り組めるようになることで
彼女自身が前向きに勉強に取り組んでいけば
かなりの部分が解決出来ると思うのです。

そのためにもまず結果を出さないといけません。
何とか日曜に良い結果を出して欲しいと
心底願っています。
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by soul_doctor2005 | 2006-09-29 16:41 | 塾の仕事を通じて
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