専門家と素人

私たちの塾でも、
受験生はこれから大変な勉強をしていかないといけません。
この数ヶ月が佳境なのですが、
毎年どんなに成績の良い生徒がいても「これで安心だ」と感じたことはありません。

先日、職場のW先生が私に
「塾長は、いつも『6年生はみんな算数が全然出来ない。』という。」といいました。
今年の6年生は昨年よりずっと成績は良いのですが、
それでも塾長は満足出来ないというのです。
私は「私も、今年の子が去年よりもずっとできると分かっていても、
やっぱり個々の子を見ていくと『何でこんな問題が出来ないんだろう。』と思いますよ。」と答えました。
指導者としては、
子供たちには「際限なく出来るようになって欲しい。」と思うのが普通だと思いますし、私も塾長もそういうつもりで指導しているのです。

ただ、その後このやりとりをしばらく考えていて
「本当にそれでいいのかな」とも思ったのです。

ふと、田中芳樹さんの小説にこういうセリフがあるのを思い出しました。
「専門家が素人に後れを取る場合がある。
それは専門家には、長所より短所が、好機より危機が見えてしまうからだ。」

「これが出来ない。あれが出来ない。」と
つい私は、
子供の短所ばかりが気にかかり、
長所を伸ばすことを忘れてしまいがちです。

授業でも、
「出来たところは別に放っていても良いから
間違ったところをしっかり直そう。」といってしまいます。

この仕事を10年余りやってきて、
時に「自分は専門家だ」という傲りがあることに気づきます。
でもそれじゃいけないですよね。
改めて謙虚にこの仕事に取り組んでいきたいと思っております。
[PR]
by soul_doctor2005 | 2006-10-06 13:02 | 塾の仕事を通じて
<< ピーク 努力の方向 >>