合格発表2

今日も次々に受験の結果がわかってきました。
もう後が無かった子どもが最後の1校で合格したり、すべり止めに合格していた子どもが第一志望が不合格だったり、結果はさまざまでしたが、どの子も本当によく頑張ったと思います。出来ることなら全員通してやりたいと思うのも毎年のことです。

今日受験が終った生徒が、お母さんと一緒に挨拶に来てくれました。
ちょうど来てくれた時間には、まだ受験の終っていない子どもが勉強をしていました。
塾長や私と「よく頑張ったね」と話をし、ひとしきり彼女の努力をねぎらった後で、帰り際にぽそっと彼女がいうのです。
「今日みんながやってるプリントもらって帰っていい?」
お母さんが言うには、ずっと日々勉強を続けてきたし、家より塾にいる時間が長いような生活だったので、いざ受験が終わって「遊んでもいいよ」と言われても、勉強をしていないと落ち着かない様子なのだそうです。



それは頼もしいなあと思う一方で、正直少し空恐ろしい気持ちにもなりました。
私たちや彼女のお父さんやお母さんも一生懸命彼女の実力をつけようとしてきたし、彼女も私たちの気持ちを理解して頑張ってくれたと思うのです。ですが、それは彼女にとって非常に大きな負担を強いていたのではないか。そう感じたのです。そうして、数年間過ごしてきた結果が彼女の今日の発言ではないか。
「空恐ろしい」という思いはそこから来たように思います。
彼女自身は、明るくて活発で友達もたくさんいる、ごく普通の女の子です。でも、だからこそそういう彼女が発した言葉に軽い衝撃を受けたと思うのです。いわゆる「ガリ勉」タイプの子どもがいうのであれば、ただ納得しただけかもしれません。

私は塾講師として、中学受験の指導をしておりますが、中学受験が何より大切とか、勉強が子どもの本分だとは必ずしも思っていません。「勉強さえしていれば将来大丈夫」であるはずがないのです。

私もかつてそうでしたが、子供たちは今の世の中を「完成された社会」だと感じているところがあるように感じます。「完成されている」から自分たちが入り込む場所がないように感じられるし、「自分が頑張らなくても何とかなる」という思いがあるのではないかと思うのです。だから将来に対する目標が持てない。
未完成でこれから発展の余地がある社会なら、そこに自分たちが入り込んで活躍する余地がある。将来の目標や希望が感じられるのです。

大人になれば誰でもわかることですが、実際の世の中はそんな恰好良いものではありません。多くの人が、地味で格好悪くて面倒くさい仕事で、それでもそれなりにやり甲斐を感じながら一生懸命働いている。そうして今の世の中をみんなで作っている。
こういう世の中で、努力を重ねて実力をつけ、その実力で社会に貢献してやり甲斐や自信を持っていく。そういう大人に生徒達になって欲しいのです。
中学受験はそのための手段の一つに過ぎないと私は思います。
中学受験は非常にハードで、子供たちに困難を強いる分それを成し遂げたときに子供たちの持つ自信も非常に大きいと思います。ただ、子供たちが自己実現をするためには中学受験だけでは不足だとも思います。

今の保護者には公立中学を不安視する人が多く、中学受験をする子どもは、全国的に年々増える傾向にあります。ですが、それでも中学受験をする子どもは小6生全体からすればまだまだ少数派です。
指導者としては矛盾があるようにも思うのですが、塾に来る子供たちには「勉強さえしていればいい」とは思って欲しくないのです。

「勉強だけ出来る子は私は嫌いだ。」
私は子供たちにいつもこう言っています。
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by soul_doctor2005 | 2006-01-31 23:42 | 塾の仕事を通じて
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