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目的意識

中学受験は広島県では大体一月下旬から二月上旬まで行われます。
ですから、今の時期はもうほぼ終わっているわけですが、私たちの塾にはまだ、受験のために勉強している六年生がいます。
明日の試験を受験する子どもがいるのです。

今の時期に行われる試験を受ける子どもというのは、他の学校の試験をことごとく不合格になった生徒です。ですから、成績はあまりよくありません。
今勉強している子どももあまり学力が高い子ではありませんでした。
でも彼はこの二週間で見違えるように実力がついてきています。
彼はこの学校の前期試験で一度不合格になっていますが、恐らく明日の後期試験は合格すると思います。

なぜ短期間にここまで実力が伸びたのか、それを考えてみたときに
「目的意識」と言う言葉が浮かんできました。
もともと彼はそれなりに頑張る子でしたが、どうも覇気というかやる気が感じられないという感じがしました。「やらなくてはいけないからやる」そういう感じです。
でも、実際に入試が始まって、幾つかの学校に落ちてしまった。
がっかりもしたでしょうが、そこで彼はめげなかった。
「絶対に最後の学校は合格してやろう。」そう思ったと思います。
指導していてそれがはっきりと伝わってきました。
本人のモチベーションが非常に高かった。
それが急激な実力アップの原因だと思います。

私のような仕事をしていると、子供たちの学力で子供たちの人間性を全てはかってしますようなところがあり、時々それに気づいて反省します。
勉強が子供たちの全てではないのに、「学力を上げたい」という気持ちが強いとそのことしか頭に入らなくなってしまいます。

子供たちの実力を上げるのには、授業や宿題や補習など学力に直接結びつくもの以外のアプローチもあるのだと改めて感じます。
ちゃんと「目的意識」を持っている子はこちらが何もしなくても自分のために必要なことを自分でやっていく。そこまで持っていくのが私たちの仕事ですよね。
難しいけど大切なことです。

改めて「塾講師にとって授業は仕事の一部でしかない」ということを感じました。
未だに生徒達から教えられることが多いです。私もまだまだですね。
by soul_doctor2005 | 2006-02-11 16:27 | 塾の仕事を通じて
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