どうも全ての小学校で近いうちに英語の授業が始まるようです。
いろいろそれに関連するニュースや記事を見ましたが、 私にはどうも小学校で英語教育をすることの意味がよくわかりません。 正直に言うと中学校や高校で英語の授業があることの意味もよくわからないのです。 私は結局大学も入れて8年間(中1から大学2年まで)英語を習いましたが、 全くモノになりませんでした。私の周りには学校教育で英語が使えるようになったという人はいないので、「私が特別落ちこぼれだった」というわけでもないようです。 「そんなこといったら、古文とか、代数幾何とか、地学とか物理とか美術とか、 全く大人になってから役に立たない科目があるじゃないか。」という方は当然おられると思います。私も同感です。 ただ思うのは英語というのは「使うために習う」のであって、他の科目のように 「知識・教養のために身につける」科目とは性質が違うと思うのです。 要するに英語は他の科目と違って「使えるようにならないと意味がない。」と言えると思うのです。 ところが、実際中学・高校で英語を習っても全く使えるようにならない。 こっちが問題だと思うのです。 それを今回、小学校に英語を導入することで解決しようとしているように見えます。 これははっきり言って意味が無いと思う。 仮に小学英語が上手くいっても、どうせ中学・高校で駄目になってしまうわけですから、意味が無いですよね。 逆に本気で身につけようして勉強すれば、中学・高校の6年という期間は英語をマスターするには十分な時間だと思うのです。小学校で英語を導入するより、まず中学高校での英語教育を見直すべきでしょう。 今まで塾で教えてきた生徒のかなりの割合の生徒が 塾とは別に英会話の学校に通ったり、 通信教育などの方法で英語を習っていました。 が、その中で本当に英語が十分に使えるようになった人は 一人しかいませんでした。 その子は父親の仕事の都合で、2年後にカナダに行くことが決まっていたのです。 そのため英語が使えることがどうしても生活上必要でした。 ですから、家族で一生懸命勉強したそうです。 カナダに行くときには日常会話は全く困らないほどに力になっていました。 それから3年後にカナダから戻ってきたときにはさらに英語が上達して 中学3年生でTOEICで890点を取りました。 それくらいの条件が整わないと今の日本で英語の力を付けるのが難しいということです。彼女は特殊な例ですが、他の子は満足に自己紹介も出来ないのです。 今はインターネット社会ですから、私もネットを通じて海外のサイトを見ることがあります。英語のサイトも見ますが、英検で準2級程度(大人になってから取りました。)の英語力でもそれなりに内容はわかりますし、翻訳ソフトもある。 やったことはありませんが、多分やろうと思ったら英語圏の人とチャットやメール交換も出来ないことじゃないと思います。 今の現役世代のほぼ全員が英語を学校で習っていることを考えれば、日本で英語を十分に話せる人の割合は少ないのかもしれません。 でも、絶対数で見れば今の日本には十分すぎるほど流暢な英語を話す人がいると思うのです。それをこれ以上を増やしてどうするという思いもあります。 仮に小学校から高校までの、英語教育が上手くいっても、日本に「英語が話せるけど使い道がない。」という人を大量に作り出すだけのように思うのです。 ちょっと乱暴な言い分ですが、今日本に来ている外国人が多様化しているのだから 学校でも、韓国語とか中国語、アラビア語、スペイン語など様々な言語が学べるようになったらいいと思います。もちろん指導者の問題がありますから、すぐにできることではないし、ほとんどの人は賛成してくれないような気もするのですが…。 どうも一つの言語を全国で画一的に教えるというのが、 個性を重視する今の教育の流れに逆行しているように思えるのです。 もちろん日本語は別ですが…。
by soul_doctor2005
| 2006-05-25 00:43
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